午前中、来られた患者様から質問があったのですが、「鍼灸っていろいろな方法があるの?」

という質問だった

どういうこと?と聞いたら

「昔行った鍼灸院では鍼に電気を流された」

なるほど・・・

まず、この鍼灸、東洋医学、漢方の世界のお話をしなくてはならないだろう

言わずと知れた「鍼灸」は中国で生まれ発達した

日本には西暦500年ごろに伝来された

日本は島国なので、現代のようにインターネットや電話があるわけではない

情報がまちまちで、入ってくる情報とそうでない情報がある

鎖国をしていた時代もあり、情報が断絶されたことも多々あったことだろう

中国から伝来されたころ、日本に入ってきた医書は「傷寒論」、「金匱要略」であるとされている

この2冊の特徴は、理論より治療方法であった

薬の世界でもいえることだが、「風邪をひいたら葛根湯」といった症状と薬が一本の線で結ばれている

症状に対して薬を処方する対症療法というわけである

これが和漢方という考え、これはまさに西洋医学と同じ考え方である

西洋医学と対峙される東洋医学はというと、症状も大切だけど体質を見て対症療法、根治療法をしていこうという考え

そのためには理論が大切となる

そこで陰陽説、五行説などの学説、自然哲学が必要となる

東洋医学の発想の源流は中国医学であるということを忘れてはいけない

話を戻し、鍼灸において治療方法はいくつかある

①筋肉や神経を考え、そこに針を刺す西洋医学的な鍼灸

②東洋医学的な鍼灸

この中にも深く針を刺す、浅く針を刺す、鍼はしないでお灸をする、脈を大切にする、全身の状態を大切にする、舌の状態を大切にする、経絡に鍼をする・・・あげればきりがないくらい多くの手法がある

おそらくみんなが自分が正しいと思ってやっているに違いない

そうでなければ続ける意味がない

しかし、ここで勘違いしてほしくないのは対象は「人」であるということ

施術者の方法論なんてどうでもよく、患者様は治ればよい!!!のだ

学生の頃、ある鍼灸師の先生がこういったお話をされた

「しゃっくりが止まらない人が鍼灸院に訪れた。

その時みんなはどう施術する?

私は鍼でどうしゃっくりを治そうか考えた。

その先生はなんといったか・・・

胸をアイスノンで冷やすだけ。

え~鍼灸師なのに鍼使わないの!!!って思ったのを覚えている。

どんな方法であれ、しっかり原因を突き止めれば必要な方法は見いだせる。

それなのに自分の知識と技術だけ信じ、周りを見ることのできない施術者はいかがなものか。

その時、私自身もっと広い知識を身に着ける必要があると感じた。

私たちの世界は3次元

いろいろな角度から見てみるといろいろな表情を持っている

それは病気、症状も同じではないだろうか

だからこそ、絶対的な治療方法はなく、多くの治療法が存在しているのではないだろうか

私は鍼灸を使うから東洋医学だとは思わない

私は経絡を使うから東洋医学だとは思わない

私はツボを使うから東洋医学だとは思わない

私は漢方薬を使うから東洋医学だとは思わない

人を診ることができるのが東洋医学であると思っている

東洋思想の中で自然と人とのかかわりを重んじ、個性を大切にすることこそが、東洋医学の存在理由があるのだと考える

そしてまた人を診るのも人であるということ

結果的に、施術者個人が自分流を作り始める

自分流はとても素晴らしいことだと思う

それは豊富な知識と技術が備わっていなければ成り立つことはないから

かりにナンチャッテ自分流をしている施術者がいたとしてもそう長くはもたない

努力だけとは言わないが、努力なくして成功はない、他人より耐え抜いたから、頑張りぬいたからこそ自分流がなしえるのだと思う

東洋医学に限らず、身近にあるすべてのことがほんの一部しか、解明されていないということ

だからこそ、「あれはダメ」、「これもダメ」、「自分は良い」とは言わない、言えない

そう考えるとこの世にまだ、万能なものはなく、とてもあいまいな世界であるということを改めて考えることのできるお話でした

 

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